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[中国] 新『広東省人口と計画生育条例』育児休暇Q&A 及び実務上のアドバイス

2021 年12 月1 日、修正された『広東省人口と計画生育条例』(以下「条例」と略称)が公表・実施された《原文》。今回の修正は「三人っ子政策」を明確に打ち出すと同時にいくつかの出産奨励支援措置を整備したものである。この中で育児休暇についての新政策が注目を集めている。

『条例』は、一定の条件を満たす夫婦が育児休暇を享受できることを規定したのみであり、その具体的な実行方法は定められていない。このような状況において『条例』に基づき、他省の衛生健康委員会の指導意見を参照し、多くの企業が着目する問題について分析を行い、企業における合法的な育児休暇の手配、コンプライアンスリスクの回避のためのポイントを提示する。


Q1:育児休暇期間中の待遇をどのように与えるか?

A1:『条例』第30 条に、「法律、法規に沿って子女生育を行う夫婦について、女性は80 日の奨励休暇を享受し、男性は15 日の介護休暇を享受する。規定された休暇期間には給与を通常通り支給し、福利待遇と皆勤評価に影響を与えない。 法律、法規の規定に合致して出産する場合、子供が3歳未満である間、両親は毎年10 日の育児休暇を享受する。休暇期間の人件費の分担は、国と省の関連規定に従って実行する。」 とある。これにより、育児休暇は第1 項の「奨励休暇」、「出産付添休暇」は企業が負担するとしていることとは異なることが分かる。育児休暇の人件費は分担制を適用し、その給与待遇基準は 「国家と省の関連規定に従って実行」。しかし、人件費をどのように分担するか、企業の分担がどのような基準となるか等、現時点では曖昧であり、国と広東省の政策及び司法実践を待たなければならない。


弁護士アドバイス:具体政策発布までは、他地域の規定を参考に育児休暇期間は正常な出勤に準じた給与支給を行うことを提案する。

Q2:育児休暇の享受は社員自ら申請しなければならないのか、それとも企業が自発的に手配する義務があるのか?

A2:育児休暇の享有は、原則として条件を満たす社員(以下「適格社員」という)が自発的に申請すべきである。

育児休暇は年度休暇と異なる。年度休暇は企業が予知可能な状況で生産経営上の必要性と社員の休暇申請とのバランスで、統一集中的に手配することができる。しかし、育児休暇は出産、子育て等の特定の事実と条件に基づいて不定期に発生する休暇であり、通常、企業は出産、養育の事実を把握できない。即ち、育児休暇を享受する前提として、社員には事前申請と証明義務がある。そのため、適格社員は事前に企業に正式な休暇の書面申請を提出し、休暇の具体的な時間、理由を説明し、関連根拠資料も添付すべきである。


弁護士アドバイス:企業は企業の性質、業務の管理ニーズに基づき、民主的な手順を通じて規則制度を制定又は修正し、法により公示することができる。育児休暇の申請方式(企業手配か社員申請か)、休暇方式(一括で取得するか或いは分割で取得するか)、申請条件(基本条件のほか、試用期間後に初めて休暇取得可能と要求する等)、申請時間(どのくらい事前に申請が必要か)、添付証明材料、申請及び審査・認可の流れ等について明確に規定する。同時に、企業は具体的な生産経営需要に基づき拒否でき、有効期間内に他の時間に育児休暇を取らせる権利があることを規定することができる。


Q3:企業はどのように社員の育児休暇申請を管理するか?

A3:『条例』は「3 歳未満の子供がいる夫婦」を社員の育児休暇の享受条件とする。そのため、企業は育児休暇を申請する社員に、育児休暇の法定状況に合致することを証明できる資料、例えば子供の出生証明書や3 歳未満の児童保険記録等の提出を要求する権利がある。


Q4:非嫡出子の両親は育児休暇を享受できるか?義父母は育児休暇を享受できるか?養子の両親は育児休暇を享受できるか?

A4:3 歳未満の非嫡出子の両親、義父母、養父母は育児休暇を享受できる。『中華人民共和国民法典』の規定により、非嫡出子は嫡出子と同等の権利を有し、非嫡出子は同等の介護と養育を受けるべきである。また、義父母或は養父母がその養育・教育した子女に対する権利義務関係は、父母の子供に対する権利義務関係と同等である。


弁護士アドバイス:このような場合、企業は社員に非嫡出子、義理の子女、養子女関係を証明できる証明書の提供を要求する権利がある。


Q5:取得未了の育児休暇に対して、社員は会社に給与への換算を要求できるか?

A5:現状、取得未了の育児休暇を給与に換算して社員に支払うことができるかどうかは、法律法規に明確な規定がない。一般的に、期限を超えて未使用であることは自らの権利の放棄と見なされ、別途補償は与えない。


Q6:同一年度内に社員が転職した場合、育児休暇はどのようにするか?

A6:実際には、社員が1年以内に頻繁に転職する状況がある。現在、法律法規には明確に規定されていないが、『条例』は各適格社員に有効期間内に育児休暇を享受できる日数を明確に規定していると考えられ、この日数は、社員が転職するかどうかとは関係なく、社員が会社を変更したからといって、休暇を繰り返すことができると認定することはできない。従って、社員が元の会社で全部又は一部の育児休暇日数を享受した場合、新会社は育児休暇を与える際に休んだ日数を差し引く権利がある。


弁護士アドバイス:規則制度には将来発生可能の紛争に明確な根拠を提供するために、社員が入社前に既に休んだ育児休暇の日数を差し引くことを明確に規定することが可能である。実務上、元の会社が離職証明書に育児休暇の状況を明確にすることを検討できる。或は、社員に入社時に書面で休んだ日数を事実通り陳述させ、今後虚偽陳述等の不誠実な行為が発見された場合、企業は規則制度に基づき相応の処罰措置を実施することを明確に通知する。


Q7 子供が親と一緒に生活していない場合、育児休暇を享受できるか?

A7:育児休暇の享受条件は「子供が3 歳未満である」ことであり、共同生活を要求していないため、社員が企業に3 歳以下の子供を育てている事実を証明できる資料を提出できれば、企業は育児休暇を与えるべきであると考える。


Q8:毎年享受すべき育児休暇の日数をどのように計算するか?

A8:『条例』には育児休暇は毎年享受できることを規定しているが、他省の衛生健康委員会の質疑応答、解釈から見ると、各省・市の実行基準は異なっている。四川省の「毎年」は「自然年度」、即ち1 月1 日から12 月31 日までの期間を指す。一方、北京、上海では子供の生年月日の「周年」で計算すべきだと考えている。広東省の『条例』は公布されたばかりであり、衛生健康委員会は「毎年」の定義をまだ明確にしていない。しかし、育児休暇は子供の出産時間と関係あるので、子供の誕生日を起算日とし、誕生日当日を満年齢の開始日とするのが合理的だと考える。


例えば:

子供の生年月日が2021 年12 月1 日であれば、2022 年11 月30 日までは1 年度目であり、この年度中、夫婦両方とも育児休暇を10 日享受できる。つまり、企業の規則制度が制限されていない場合、理論的には適格社員は2021 年12 月に10 日間の育児休暇享受完了権利がある。一方、子供の生年月日が2019 年1 月1 日、2021 年12 月31 日で3 歳になる場合、現在の法規政策に明確な規定はないが、合理的に考えれば『条例』の発効日に応じて換算すべきだと考えている。つまり、12 月1 日から12 月31 日までの育児休暇を按分で享受する。


弁護士アドバイス:企業は育児休暇に関する規定を制定する際、できるだけ発生する可能性のある様々な状況(例えば上記の日数換算問題)を検討し、その上で会社の実際状況と合わせて具体的な規定を制定する。例えば、試用期間満了後に享受可能と定める、1年度以内に四半期ごとに1-2 日に分割して享受可能と要求する等である。これにより、社員の育児休暇権利と企業の自主経営権及び労働管理権のバランスを確保する。


Q9:当年度の育児休暇が未完了である場合、次の年度に繰り越すことができるか?

A9:原則としては繰り越すことができない。

慶弔休暇、産休等の休暇制度の実践に基づき、年度休暇制度を除いて、通常は自然年度ごとに休暇日数の認定を行い、繰越を行わない。従い、育児休暇は繰越を適用しないと考える。

また、四川省等は育児休暇を翌年に延期できないことを明確に規定している。


弁護士アドバイス:広東省の法律政策が明確に規定されるまでは、将来紛争の発生に備え、企業は規則制度を通じてこれらの問題への対応策を規定することを提案する。


(以上)


2021 年12 月

隆安(深セン)律師事務所

方君婷 律師

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